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「日本ビジネススクール・経営人財育成推進機構」ご案内とお願い

新型コロナウイルス感染症の影響で世界経済が不確実性を増す中、日本の経済社会の将来的な発展は、経営人財育成の成否に依存しています。ビジネスをめぐる環境が激しく変化するとともに、企業経営者が取り組むべき課題が複雑化する中で、多様化する価値観や異質な意見をまとめ上げ、変化への適応力のあるリーダーを育成していくことは喫緊の課題です。

日本において、様々な大学等の教育機関が経営人財の育成を目指していますが、これまでは、それぞれの教育機関がカリキュラムを開発し、教育機関への人財派遣や卒業生の受け入れを担う産業界と、教育機関のプログラム・カリキュラムを管理監督する所轄官庁の協力を得て、人的・資金的制約の中で進められてきました。しかし、同時に従来のシステムでは変化する経営環境に対応して機動的、進化的にプログラム提供には限界があり、その結果として経営人財教育の先駆者である欧米各国はもとより、近年台頭が著しいアジア諸国に比しても、日本の経営人財育成の全般的な環境は、充実しているとは言い難い状況にあると懸念しています。

経営人財育成を目指す教育機関の組織運営や教育内容といった環境水準を、国際的なレベルに引き上げるためには、経営人財の育成が、日本のみならず国際社会の問題解決にも大きく貢献することを十分に認識し、産・官・学一体となって、必要な調査研究・改革等を進めていくことが必要です。そのような使命感を共有する内外の教育機関と緊密に連携し、迅速に活動するために、今般、「一般社団法人日本ビジネススクール・経営人財育成推進機構」を設立いたしました

経済・社会活動のリーダーには、グローバル社会での成長を先導するだけでなく、地球環境や格差拡大の是正への配慮、多様性の理解などの柔軟性が必須であり、ローカルでは、地域の特性を幅広く俯瞰し、地域経済・社会との共栄を促進するような多角的な視点が求められています。そうしたニーズに応え、中堅中小企業から大企業まで、各企業が直面している課題に立ち向かう経営人財を育成するため、海外教育機関や国内外研究者と連携し、経営人財育成のモデルの開発を推進していく所存です。

また、そうしたモデル開発と教育機関の変革を通じて、アジア太平洋地域におけるビジネス・アカデミックス交流センター機能を確立し、経済・社会活動のリーダーの交流と相互啓発の場を絶えず提供し進化させることで、日本とアジア太平洋地域の繁栄に貢献したいと考えています。

本機構は、日本の経営人財育成機能の変革を実現するため、提言や機関連携・仲介、評価、調査・研究等の業務に取り組んで参ります。本機構の活動基盤を一層強化していくため、改めましてさらに広く皆様のご理解、御支援を賜りたく、ここにお願い申し上げます。

2021年3月

会 長 : 永山 治 (中外製薬株式会社 名誉会長)
副会長 : 河野宏和 (慶應義塾大学 教授)

注)JBS-EDOは、上記の諸課題、問題意識を共有し日本の高度経営人財の育成の在り方を議論するために設置された文部科学省「経営系大学院機能強化検討協力者会議」を母体として、その有志メンバーを中心に設立しております。議論の詳細については、https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/085/index.htmをご参照ください。