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第1回 河野 宏和 副会長

経営環境が急速かつ日々刻々と変化しているため、経済社会を先導するリーダーや幹部人財には、目先の課題に対応するための知識・スキルに加えて、長期的に経済社会のあるべき姿をデザインする能力、課題と施策を体系的に整理する論理的・俯瞰的な視点が必要になると考えます。表面的なグローバル視点ではなく、異文化の人たちと正面から議論する国際的な視点も不可欠と考えています。

今後において産業界や教育界が強化すべきことは、自前主義や自社だけの活動ではなく、異業種・異職種の人財が議論できる場、異文化の人が交流する場、産・官・学といった色分けを超えて議論する場を提供・活用することであり、その重要性を再認識すべきと考えます。

当機構が上記の役割に貢献していくためには、これまでのビジネススクールのように優れた講師を招聘しての座学では、極めて不充分です。これからの人財育成の機能としては、企業や地域に出向き、現場現物を目前にしながら議論するフィールドワーク、参加者同士が議論して学び合う双方向型の学びの場が必須です。一方向の教える・教えられるではなく、「半学半教」がキーワードになると思います。

私自身、生産企業を対象にしたフィールドワークを多数体験してきたので、そうした人財育成の大切さを皆さんと共に考え、それをベースとした人財育成の実践面で本機構に貢献したいと考えています。

副会長 河野 宏和
慶應義塾大学大学院経営管理研究科 教授