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第8回 理事 斎藤勝利

経営を取り巻く国内外の環境が激しく変化し、将来への不透明感、不確実性も増す中、経営リーダーには従来とは異なる資質が求められていると考えます。
過去の成功体験に基づき、目指すべきモデルもある程度見通せる時代においては、統率力、実行力に秀でたリーダーが、明確な指示命令を行い、メンバーを引き寄せることで組織をリードすることが求められました。一方、現代においては、過去に遭遇したことのない新しい局面が連続する中、周囲の多様な意見と自らの経験を融合させ、新たな学びとして未知の世界に応用していくことが求められます。
この多様な意見を受け入れ、新たな価値に昇華していくには、まず相手を受け入れるだけの広い視野、高い視座、そして基礎となる深い教養が求められます。こうした素養は、「実務」だけ、「知識習得」だけでは身に付きません。残念ながら、従来の日本の教育界、産業界は、こうした人財を十二分には育成してはこなかったと言えるのではないでしょうか。これは、グローバルな場面において、欧米を中心とする海外のグローバルリーダーと日本のリーダーの差異として顕著に現れます。グローバルリーダーは、その成長過程において森羅万象、様々なリベラルアーツを身に着けており、大きく深い土台を基礎に、議論をリードする力が備わっています。この人財力の差が、価値創造力の差となっている面は否めません。
JBS-EDOに求められることは、日本から、真のグローバルリーダーとして活躍できる人財を育成していくことにあると考えます。ボーダーレスな競争の時代、世界から尊敬されるリーダーを輩出することが、日本の発展に寄与する王道となります。今後の機構の発展に大きく期待をしております。

理事 斎藤勝利
第一生命保険株式会社 特別顧問